CDG-HNDな遠距離国際恋愛日記

パリと東京。Aさんとわたし。

大きな買い物の話

食洗機がほしい

食洗機がほしいのです。ドイツで生活していた頃は、食洗機がアパートに備え付けられていましたので、非常に快適な生活を送っていました。

f:id:cdghnd:20091102142131j:plain

なつかしのキッチン

あの頃使っていたサイズのものはもちろん使えませんし、賃貸ですからできれば工事不要*1で、なるべく小さいものがほしいのです。例えば、こういうやつは素敵だなと思います(別に、アイリスオーヤマのが特別に良いものだと言いたいのではなくて、こういう種類のものが良いのです。ちなみに、このブログはアフィリエイトはやっていません。)。

 

 

一緒に買うべき

……という話をAさんにしたのですが、Aさんはあまり感心しなかった模様です。聞いてみると、「そういう住環境に影響を与える大きな買い物は一緒にしたいし、一緒に住むようになってから、使い勝手を考えて買うべきだ」というのです。一理あります。しかし値段もそれほどのものでなし、良いではありませんか。

「どうしても要るなら買えばいいけれど、そういう問題ではない」

なるほど。

大きな買い物の大きさの話

もちろん家を買う、中古車であろうとも車を買う……このレベルになってパートナーに相談しないというのはちょっと考えられませんが、「大きな買い物」の大きさってどういうレベルなのでしょうね。

場所を取る

アパートの中で物理的に大きな場所を占めるものは、おそらく、大きな買い物でしょう。例えば、アームチェアや食卓はそういう意味で大きな買い物と呼べますね。

食洗機もいくら小さいとはいいながら、台所の中で大きな場所を占めますので、「大きい」と言えましょう。

生活を変える

生活上の活動の意味合いを変えるものも、おそらく、大きな買い物でしょう。どんなに小さくても、なんだったらカタチがないものでも、生活パターンを変えるようなものは、大きい買い物と言えますね。たとえば、スマートフォンの機種をiPhoneからAndroidに変えると、使えるメッセージソフトに制限がかかりますので、大きな買い物と言えましょう。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

食洗機も台所での活動に大きな影響を与えますから、大きな買い物と言えるでしょう。

お金がかかる

無駄な出費につながりそうなものも、金額の多寡に関わらず大きな出費になりますから、大きな買い物になるかもしれません。何しろわたし達にとって、航空券をなるべく安く、かつ、素早く移動できるルートで買うことが一番重要ですから、それを阻害するかもしれない出費は大きいと呼んで良いでしょう。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

食洗機は、航空券往復1回分にはなりませんが、それでも生活費ではない予算の方から出費するわけですから、航空券に使えるリザーブが減ることになります。

諦めますか

わたしは「持てる余裕を使って家事が簡単になるならば、そのお金は使うべきだ」と思う方です。そういう意味では、食洗機は「買うべき」と判断するのですが、Aさんの言うこともわかります。

とりあえずは今回は買わないことにして、アマゾンとヨドバシカメラのウェブサイトを閉じるのでした。

*1:我が家の場合、URの住宅ですので、工事する場合は許可がいります。

 

cdghnd.hatenablog.com

2DKの話

火曜日から人に会っていないことに気が付きました。正確には、昨日、お医者さんに5分間だけ会いましたけれど、それ以外はほとんどオフラインで話をしていません。家で作業をしないといけない時期なのでカフェにもいけませんし、しようがないのですが、だんだんストレスがたまって来ました。

こういうときに遠距離だとしんどいですね。WhatsAppがあるとは言いながら、人間が近くでうろうろしている感覚には代えがたいと思うのです。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

自宅作業の時間に人の気配がアパート内にあったらいいなと思います。要は寂しいのです。

逃げ場

一方で自宅作業の時間が多いAさんとわたしが共同生活するようになると、この「近くでうろうろしている感覚」が割と簡単に邪魔っけになる時期が来るように思います。現に、Aさんのアパートはワンルームなので、1ヶ月いるとたまに逃げ場がなくなるように感じられます。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

もちろんわたしがパリに滞在中は、Aさんは昼間は仕事に出ていますので、作業をするには困らないわけですけれど、それでも2人でワンルームの部屋にいる時間が増えてくると少しストレスがたまります。何より2人で口論になったときに逃げ場がないのは、冷却期間を取りにくい意味で大変です。

2DK

そういうことを予想したわけではないのですけれど、わたしは東京のアパートを契約するとき、2部屋あるアパートで安い場所を探しました。最初の目標は、作業部屋と寝る部屋を分けることにありました。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

幸い古いUR(いわゆる公団住宅ですね)のアパートがリノーベートされて、非常に手軽な値段で出ていましたので、わたしはそこを借りることができました。

f:id:cdghnd:20190121223105j:plain

なんと単なる2部屋じゃなくて、2DK。事実上3部屋です。これだけ部屋があれば、お互いに作業しているときに独りの時間が欲しくても逃げ場所はいくらでもあります。DK部分に机と椅子もいれましたし。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

実際、昨年Aさんが来たときにも、2人で作業する時間、部屋を独りで使いたいときは、作業部屋とDKで分かれて作業することができました。こうすると、ひと気はあるけれど、息が詰まることもないという非常に素敵な状態を作り出すことができました。

今年の滞在もきっとうまくいくでしょう。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

法律婚にコミットすることの話

コロナウィルスが猛威をふるっています。そんな中、日本政府がチャーターした中国からの避難用の飛行機の第1便から第3便まで配偶者の退避について調整がつかなかったことについて、国際カップルのリスクの話としてブログの記事を書きました。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

今日到着の第4便では調整がついたようで、中国籍および台湾籍の方の家族も退避できたようです。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中国湖北省から、日本人らを退避させる政府のチャーター機の第4便が7日午前、羽田空港に到着した。チャーター機では初めて中国籍配偶者や子らが退避し、日本人と合わせ計198人が到着した。

チャーター機第4便が帰国 中国籍の家族含め198人が搭乗 新型肺炎(毎日新聞) - Yahoo!ニュース 

ひとまず家族が離散することを防げたことを大変良いことだと思います。

法律婚でなかったら

ところでわたし達が婚約するにあたって、法律婚を選択したのは、査証と滞在許可の問題が大きかったわけです。

この地球上、わたしたちが一緒に住むにはどちらかに(場合によっては2人とも)滞在許可(在留許可)が必要になります。そして滞在許可や在留許可を手に入れるためには、おそらく法律婚をするのが一番近道になります。

Something old and blue の話 - CDG-HNDな遠距離国際恋愛日記

しかし考えてみると、法律婚をしておかないと、前回の記事で「リスク」として述べた状態の解決策からも埋もれるのではないか、という気がしてきました。たとえば、今回の退避で言われるところの配偶者は、法律婚をしている配偶者のことなのでしょうか。それとも日本で言う内縁関係や、フランスで言うPACSのような関係でも、配偶者として認められるのでしょうか*1

f:id:cdghnd:20190624094057p:plain



法律婚をしないと家族を守れないかもしれない。その状態をわたしはあまり良いものだと思いません。家族のかたちを1つに縛ることに合理的な理由はないとも思います。一方で、わたし達の生活は現実のもであって、ある種のプラグマティズムを行使しないとなりません。そしてわたし達がプラグマティックになると、法律婚を支える制度の側に与することになるのです。

わたしが大切に思う人と一緒にいるために、わたしの立場から見ると必ずも合理的ではない制度に、現実の問題としてコミットすること。このことについて、わたしはまだ答えが見つけられていません。

*1:同様に気になるのは、日本では婚姻関係として認められていないが、日本以外の国で正式に法律婚をしている場合はどうするのか、です。例えば、オランダ人と日本人の同性カップルが中国にいたとき、一緒に退避することを日本政府は認めたでしょうか。あるいは、オランダ政府だけが、そういう事例を管轄するのでしょうか。

血液型の話を見つける話

性格当てるぜ

朝9時半(ってことは、Aさんにとっては1時半!)に、「緊急の質問! 血液型は何?」というメッセージが来ました。「ナニゴト……」と思いましたが、「B型ですぜ」と答えてみました。そうしたら、「おし、キミの性格をすべて当てて見せよう」と鼻息が荒いです。

f:id:cdghnd:20200207095937j:image

いやいや、わたしたちこんだけ長いこと付き合ってるんですから、わたしの性格知っているじゃないですか。そう思いましたが、どうも違うようです。

「どうやら、日本じゃ血液型と性格に関連があるみたいじゃない」

ぬぬ。風はそちらから吹いてきましたか。血液型の話が流行ったのがいつなのか忘れましたが(もう終わりましたよね)、わたしは自分の血液型のせいで色々な人にバカにされた記憶があるので、あまり血液型の話は好きではありません。好きじゃないんだけどなあと思いましたが、Aさんの興奮は隠せません。確かに、ロシア語文化圏の「面白い話題」を見つけたら、わたしもちょっと興奮します*1
f:id:cdghnd:20200207095945j:image

 Aさんの診断によると、「キミは、A型の性格により合ってる気がするが、本当にB型かね」と。B型です。

「そうだとすると、職業変えないといかんね」。まじですか。

「キミの現職は、A型の仕事だ」……そうですか。そんなこと言われても、この歳で職種を変える転職は難しゅうございますよ。

タネ明かし

実はAさんが急に血液型の話を始めた原因はわたしにあります。というのもAさんに日本に住むウクライナ出身の方が運営しているYoutubeチャンネルを紹介したからです。

東京で生活しているViktoriaさん(もしくは、トリさん)のチャンネルは、ロシア語のチャンネルで*2、わたしが理解できる限り*3、日本についての様々な内容があるようです。

こういう内容のチャンネルですあれば、きっとAさんにも面白いだろうなあと思いましたので紹介したわけです。

そのチャンネルの動画に、血液型の回がありました。Aさんはこれを見たんですね。

 

www.youtube.com

日本で生活していて、血液型の話に出会わない人はなかなかいないでしょうから、日本での生活についてビデオ作っていたら、そら血液型の話題を避けて通ることはできないでしょう。

トリさんとパートナーの方のビデオは、実際、よく出来ているように思います。ロシア語が分からなくてもなかなか楽しいのですから。

「わたしもブログ書いてるよ」

ところで今回の記事はAさんも承知の記事です。

わたしのブログの記事にしますよ。「しまった。キミのブログのことを忘れてた」。

こんな面白い話題記事にしない訳にはいきません。「でもわたしはこの話題について、一切、何もでっち上げてない。これは、キミの文化の話題だってことに、注目するように」。

f:id:cdghnd:20200207112859j:image

でもこのブログの読者層で血液型の話題を知らない人はいないのですよ。それでもって、Aさんの反応は、新鮮なわけです。

というわけで、Aさん、記事にいたしましたともさ。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

*1:こういうときに、いわゆる「日本の文化」に属しているわたしが取るべき態度というのは、むずかしいものですね。特に血液型のように、現に偏見が発生したような事例については、とてもむずかしく感じます。

日本で生活している人にとっては、血液型は現にそこにある話題な訳です。それを知っておくことは、とても大切なことですし、そういうことを面白がれることも大事だと思います。

一方でこの話題について、わたしはあまり良い経験をしていません。それに、わたし以外にもこの話題で嫌な思いをした人もいるでしょう。そのことも知って欲しい。

新しい発見の喜びと偏見への懸念のバランスを共有できる人とでないと、無邪気な気持ちでこういう話題は楽しめません。そういう意味では、わたしは幸運なのでしょう。

*2:ちなみに、Aさんのロシア語とは、ほんの少し違うみたいです。

*3:わたしも「ロシア語の練習だ」と思って見ていますがところどころ単語がピックアップ出来るだけです。

新しいコーヒーメーカーを買おうの話

Aさんはちょっと心配性です。コーヒーメーカーと電気コンロの電源を落としたかどうかが不安になることは、割と誰にでもあると思います(わたしもたまにあります)。しかしAさんは普通より少し心配性で、デートの約束に向かう途中でどうしても不安になって家に帰ったりしていました。

そのAさんが、わたしのアパートについて不満に思っていることが2つあります。1つは、お風呂についているガスの元栓*1。もう1つは、自動で電源がオフにならないコーヒーメーカーです。

f:id:cdghnd:20200206140604j:image
お風呂のガスの元栓は、バランス釜だった頃の名残でついているのだと思います。今わたしのアパートについているのは、(大きさは全然違いますが)実家についているのと同じコントロールシステムのものなので、おそらく元栓を閉めなくても構わないのではないかと想像します。説明書を読んでも、手入れするとき・災害時などにガスの元栓を閉めるように書かれていますが普段については何も書かれていません。ということは実際には閉めなくても構わないはずなので、これはAさんに「占め忘れても問題ないよ」と伝えることにしています。

しかし問題はコーヒーメーカーです。こちらは引っ越したときにとにかく安いコーヒーメーカーをスーパーで買ったので、自動でスイッチが切れるものではないのです。現実に、Aさんはコーヒーメーカーをオフにしたかが不安で、東京でも何回か家に戻ったりしています。「あなたの家のコーヒーメーカーは、安全じゃない」とAさんは言います。というわけで、Aさんが3月に来るまでに新しいコーヒーメーカーを購入したい。そう思うのです。

わたしも今のコーヒーメーカーは、ちょっと不満があります。それはポットの部分が保温性のないものなので、大量にコーヒーを作っておくと単に冷えてしまうことです*2。もちろん、冷えるのを防ぐためにポットの下にヒーターがあり、冷えるのを防ぐためにそのヒーターが自動でスイッチが切れないようになっているわけですが、ヒーターをつけっぱなしはもったいないですし、そもそも煮詰めたコーヒーを飲みたいとは思えないのです。

ところが2人の条件を満たすコーヒーメーカーを買おうとするとこれが1万円がとこします。今までのコーヒーメーカーは2千円台でしたので、随分のグレードアップになります。ヨドバシカメラのウェブサイトを見ながら、呻吟しております。

ああ天からコーヒーメーカー降ってこないかしら。

*1:実はガスストーブの元栓もあるのですが、まあこれはヒューズガス栓になっているので、安全ですし、言わぬが花ということにしましょう。

*2:本当にコーヒーが好きな方は、もちろん、作り置きなどしないでちゃんと一杯ずつ淹れるのでしょう。わたしも一杯ずつ淹れたい気分のときはちゃんとマキネッタを使って淹れています。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

玄関先で生活する話

「英語は世界への扉」というような表現を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。この表現に限定して、グーグル検索すると1万件以上見つかりました*1

f:id:cdghnd:20200202144832p:plain

英語で開いた扉の先

実際に英語が第2言語として話される地域はたくさんあります。しかし英語がもっとも使われている第2言語の国はそれほど多くありません。以下の地図は、ウィキペディアで示された英語が公式言語の国のリストです。オレンジは、非公式言語でありながら過半が英語をしゃべる国、白い部分は、公式言語ではないものの少数言語として英語が話されているところです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1a/Countries_with_English_as_Official_Language.png

(https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1a/Countries_with_English_as_Official_Language.png by Sulez raz CC BY-SA 4.0)

地図を見れば分かるように英語は、少数言語として話されている国とそもそも殆ど話されていない国(薄い緑)がほとんどです。

この地図が伝えていることは、英語が世界への扉だとしても、英語だけしかしゃべれない生活は、いわば扉をあけてお玄関先で生活することに過ぎないということです。

パリ生活のお玄関先

わたしは、パリでこのような「お玄関先生活」をしたことがあります。しかもそこで全く何が起こっているかわからなかったために、Aさんと親しくなるという、超豪華お玄関先生活でした。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

ドイツではドイツ語を喋れていたので、そこから突然転職先として放り込まれたお玄関先生活はなかなかシビアでした。

生活を立ち上げることさえルームメイトや職場の同僚達の助けがなければままならない生活に全く屈辱感を感じない人はいないでしょうし、銀行の口座開設契約の書類を読めずにサインすることに恐怖を感じない人もいないでしょう*2

何より辛かったのは*3、ドイツにいた頃はわたしは自分のいた街の一部だと思えたのですけれど、パリは(とても大好きな街ですけれど)最後までわたしはお客さんで終わったことです。国際的な街で多くの人がフランス語を喋らずに過ごしている街ですら、そう感じるのだから、パリの外に出たらどうなることやら……と思わざるを得ません。

扉が開かれたあとが大事

英語は大事な言語です。多くの人が第1外国語として中学校から学ぶ言語を否定することに意味はありません。義務として始めた言語でも、始めたからには続けるしかないわけです。でも「英語だけ喋れればなんとかなる」と思う人がいれば、それは知的怠惰だと思うのです。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

英語で扉が開かれた人は、幸いな人です。しかし「そこは端近、ずずっと奥へ」でございますよ。

英語の扉が開かれなかった人も、諦めるにはおよびません。地球上には多くの言語があります。もしかしたら非英語を勉強すれば初級でもいきなり、母語話者の人にいきなり茶の間につながる縁側に招待されるかもしれないですよ。

*1:引用符を外すと、100万件以上見つかりました。

*2:そんなに苦労して開設した銀行の口座を日本に引っ越すときに解約したわけで、今思い返してもはやまったなと思います。

 

cdghnd.hatenablog.com

*3:誤解しないでほしいのですけれど、パリはわたしにとって大事な街です。2年しか住んでいませんが、パリの左岸は今でもわたしに「帰ってきた」という気持ちを起こさせます。「それでも辛いことはある」という話です。

国際結婚のリスクの話

わたしとAさんは、国籍が異なりますので、国際結婚を目指していることになります。どんなカップルでもある種のリスクを抱えていると思うのですが、国籍を別にするカップルにも特有のリスクがあります。

避難と国籍

例えば、現在、大騒ぎになっているコロナウィルスの問題だと、「避難」というキーワードがあります。その観点から気になるニュースを見つけました。

また、中国人配偶者の帰国も懸案となっている。政府関係者によると、湖北省に残された140人の中には、中国人と結婚し、子どもを持つ邦人が数十人以上いるという。
中国当局は中国人の出国は認めていない。邦人が日本帰国を希望していても、妻などが出国できないため、家族が離ればなれになるのを避けようと現時点では帰国に踏み切れない人が多いという。
日本政府は中国に対し、人道的観点から中国人配偶者の出国を認めるように働きかけているが、認められる見通しは立っていない。 

武漢周辺の140人、帰国に壁…第4便派遣は今週半ば以降か(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

ここでは各政府の立場を考察することが目的ではありませんが、移動制限をかけている状態で個別の例外として外国政府による自国民の移動だけを認めたいという現地政府の政策も理解できますし、避難をスムーズに進めるために家族単位の移動を可能にしたい国外政府の政策ももっともです。

結局大規模で緊急の政治的問題が発生したときに、わたし達の持つ国籍は大きな意味合いを持ちます。そしてどんなに日常生活では意識せずに済んでいたとしても、持つパスポートが違うということが、実際の生活に影響します*1

支援の狭間での決断

引用した記事は、このような事態が発生したときに様々な支援策の狭間に落ちてしまうことがありうると気づかせてくれます。

何より今家族を残して避難した方や、家族一緒に過ごすことを決断した方のことを考えると、どちらもどんなに不安であろうかと思いますし、決断を下す力に尊敬の気持ちを持ちます。他人事でなく、そのように思わざるをえません。

決断の力

(ないことを願いますが)天変地異はいつでもどこでも起こります。予定通り日本に生活したとして、「Aさんは現地語の通じない状態でストレスに耐えられるか*2。もしかしたら一時的にでも日本国外に退避した方が、安全なのではないか」……そういう決断を迫られら日が来るかもしれません。その時にわたし達は冷静になって考えることができるか。出来なければならないわけですが、その力があることを願うばかりです。

*1:「それなら、Aさんが日本国籍を取得すれば良いではないか。」そのように考える人が現れないことを願います。日本国籍を取ることは、日本以外の国籍を捨てることを強いられることだからです。つまり、家族のいる国、自分が生まれ育った街にビザを取らないと戻れなくなるという決断なのです。それがわたし達の生活に与える影響も、わたし達は考えているのです。

話は変わりますが、日本国籍の取得はかなり難しいことでもあります。

*2:ここでも同僚の言葉を思い出します。わたしの不安だけではなくて、Aさんの直面している問題も自分のこととして考え、情報収集し、さらにそれを適切に編集して伝える必要があるのでしょう。

 

cdghnd.hatenablog.com