否応なしの優先順位の話
今週のお題「大切な人へ」
大切な人がいるということは大事なことなのでしょう。ありがたいことなのでしょう。
わたしは幸運にもそう思う人々が複数いるのです。家族に師匠連に友人方。とてもありがたいことだと思いますし、現に多くの場面で助けられても来ました。
ところでその大切な人が複数であり、それぞれが好意からアドバイスをくれるとき、その間の調整をしなくてはなりません。特に大変なのが全員が良かれと思っていて、それぞれの言うことが単体ではもっともで、しかし同時に実現するわけにはいかないときです。
このときに、大切な人の言うことに順位をつけないといけないことになります。別にこれは人に「順位をつけること」とは全く違うのですけれど、それでも自分がアドバイスとして好意から言ったことの順位が下がれば、いい気分はしないでしょう。
それでも順位をつけないとそもそも動き出せない。そういう場面に直面して、わたしは悩むでしょう。ときには、それが原因でケンカになることもあるでしょう。あるいはわたしは、それが原因でそういう方々の好意を失うかもしれません。おそろしいことです。
わたしができることと言えば、なるべく公平に意見を伺いながら決断することであろう。そう思っておりました。
さて、この公平さの仮面もわたしは脱がねばなりません。パートナーと家族になるということは、パートナーが自動で順位1位になることです。それ以外の方を同率2位においておくとしても、1位と2位の間に差を設けなければなりません。それが設けなければ、別にパートナーとして一緒にいることもないかな、と思うのです。
わたしの大切な人へ。わたしは、皆さんを大切に思いますし、皆さんの好意に依存して生きるでしょう。そしてわたしもこれからも公平に話を伺おうと思うのです。伺った話をわたしはAさんとシェアするでしょう。でも、決断上の優先順位を自動で割り引くでしょう。それでも最終的には「しょうがないなあ」と思っていただけるように、がんばりますよ。