5年目への話
うるう年の2月29日。
実は前回の2月29日にわたしはパリから東京に引っ越してきました。したがって、2016年2月29日はこのブログのテーマである遠距離恋愛の開始日です。
この4年間を「安楽で、楽しいばかりで…… 」などと書いたら閻魔様に舌を抜かれますが、それでもわたしは多くの要素に(何よりAさんの人柄に)恵まれて、割と順調に日々を過ごすことができています。そしてCDGとHND(やNRT)を行ったり来たりする生活も、ここまでは(ほとんど)大きな事故なしにうまくいっています。
ありがたいことです。
とにかく少しずつ、新たなフェーズのスタート*1がぼんやり見えているように思いますが、まずは一歩ずつそのスタートを切れるように頑張らなくてはなりません*2。
今週のお題「うるう年」
バレンタインの話
今日はバレンタインデーですね。男性のわたしは、日本に住んでおりますので、Aさんからのチョコレートを期待していますが、もちろんAさんがそういうことなど(たぶん)知る由もなし。
というわけで今年も「ぐぐってみてよー」ってメッセージしました。分かってます。ちょっとあからさま過ぎますね。でもなんか寂しいじゃないですか。調べてくれれば、チョコレートはこないでしょうけれど、なんか言ってもらえるかしらね。ふふ。
そういえば、1月にロシアのチョコレートを頂きましたので、それを我慢して今日までとっておけばよかったですね。
もちろん、美味しく全部頂いてしまいましたので、ひとっつも残っていません。悲しみは深いです。ちなみに、こっそり訊いてみましたところ、Aさんのところにも1つもないそうです。とはいえ希望はまだあります。
「でももう少ししたら、ロシアから友だち来るから、チョコレート頼んでおくね」
だそうです。
さてさて、わたし達にとってもっと重要な日が近づいています。国際女性デーです。単なる重要な日ではありません。ロシアでは祝日です。
去年頑張ってしまいましたので、今年も頑張らないといけません。フランスでは平日ですから、どこに何を送ればいいか悩みます。
2DKの話
火曜日から人に会っていないことに気が付きました。正確には、昨日、お医者さんに5分間だけ会いましたけれど、それ以外はほとんどオフラインで話をしていません。家で作業をしないといけない時期なのでカフェにもいけませんし、しようがないのですが、だんだんストレスがたまって来ました。
こういうときに遠距離だとしんどいですね。WhatsAppがあるとは言いながら、人間が近くでうろうろしている感覚には代えがたいと思うのです。
自宅作業の時間に人の気配がアパート内にあったらいいなと思います。要は寂しいのです。
逃げ場
一方で自宅作業の時間が多いAさんとわたしが共同生活するようになると、この「近くでうろうろしている感覚」が割と簡単に邪魔っけになる時期が来るように思います。現に、Aさんのアパートはワンルームなので、1ヶ月いるとたまに逃げ場がなくなるように感じられます。
もちろんわたしがパリに滞在中は、Aさんは昼間は仕事に出ていますので、作業をするには困らないわけですけれど、それでも2人でワンルームの部屋にいる時間が増えてくると少しストレスがたまります。何より2人で口論になったときに逃げ場がないのは、冷却期間を取りにくい意味で大変です。
2DK
そういうことを予想したわけではないのですけれど、わたしは東京のアパートを契約するとき、2部屋あるアパートで安い場所を探しました。最初の目標は、作業部屋と寝る部屋を分けることにありました。
幸い古いUR(いわゆる公団住宅ですね)のアパートがリノーベートされて、非常に手軽な値段で出ていましたので、わたしはそこを借りることができました。
なんと単なる2部屋じゃなくて、2DK。事実上3部屋です。これだけ部屋があれば、お互いに作業しているときに独りの時間が欲しくても逃げ場所はいくらでもあります。DK部分に机と椅子もいれましたし。
実際、昨年Aさんが来たときにも、2人で作業する時間、部屋を独りで使いたいときは、作業部屋とDKで分かれて作業することができました。こうすると、ひと気はあるけれど、息が詰まることもないという非常に素敵な状態を作り出すことができました。
今年の滞在もきっとうまくいくでしょう。
血液型の話を見つける話
性格当てるぜ
朝9時半(ってことは、Aさんにとっては1時半!)に、「緊急の質問! 血液型は何?」というメッセージが来ました。「ナニゴト……」と思いましたが、「B型ですぜ」と答えてみました。そうしたら、「おし、キミの性格をすべて当てて見せよう」と鼻息が荒いです。
いやいや、わたしたちこんだけ長いこと付き合ってるんですから、わたしの性格知っているじゃないですか。そう思いましたが、どうも違うようです。
「どうやら、日本じゃ血液型と性格に関連があるみたいじゃない」
ぬぬ。風はそちらから吹いてきましたか。血液型の話が流行ったのがいつなのか忘れましたが(もう終わりましたよね)、わたしは自分の血液型のせいで色々な人にバカにされた記憶があるので、あまり血液型の話は好きではありません。好きじゃないんだけどなあと思いましたが、Aさんの興奮は隠せません。確かに、ロシア語文化圏の「面白い話題」を見つけたら、わたしもちょっと興奮します*1。
Aさんの診断によると、「キミは、A型の性格により合ってる気がするが、本当にB型かね」と。B型です。
「そうだとすると、職業変えないといかんね」。まじですか。
「キミの現職は、A型の仕事だ」……そうですか。そんなこと言われても、この歳で職種を変える転職は難しゅうございますよ。
タネ明かし
実はAさんが急に血液型の話を始めた原因はわたしにあります。というのもAさんに日本に住むウクライナ出身の方が運営しているYoutubeチャンネルを紹介したからです。
東京で生活しているViktoriaさん(もしくは、トリさん)のチャンネルは、ロシア語のチャンネルで*2、わたしが理解できる限り*3、日本についての様々な内容があるようです。
こういう内容のチャンネルですあれば、きっとAさんにも面白いだろうなあと思いましたので紹介したわけです。
そのチャンネルの動画に、血液型の回がありました。Aさんはこれを見たんですね。
日本で生活していて、血液型の話に出会わない人はなかなかいないでしょうから、日本での生活についてビデオ作っていたら、そら血液型の話題を避けて通ることはできないでしょう。
トリさんとパートナーの方のビデオは、実際、よく出来ているように思います。ロシア語が分からなくてもなかなか楽しいのですから。
「わたしもブログ書いてるよ」
ところで今回の記事はAさんも承知の記事です。
わたしのブログの記事にしますよ。「しまった。キミのブログのことを忘れてた」。
こんな面白い話題記事にしない訳にはいきません。「でもわたしはこの話題について、一切、何もでっち上げてない。これは、キミの文化の話題だってことに、注目するように」。
でもこのブログの読者層で血液型の話題を知らない人はいないのですよ。それでもって、Aさんの反応は、新鮮なわけです。
というわけで、Aさん、記事にいたしましたともさ。
*1:こういうときに、いわゆる「日本の文化」に属しているわたしが取るべき態度というのは、むずかしいものですね。特に血液型のように、現に偏見が発生したような事例については、とてもむずかしく感じます。
日本で生活している人にとっては、血液型は現にそこにある話題な訳です。それを知っておくことは、とても大切なことですし、そういうことを面白がれることも大事だと思います。
一方でこの話題について、わたしはあまり良い経験をしていません。それに、わたし以外にもこの話題で嫌な思いをした人もいるでしょう。そのことも知って欲しい。
新しい発見の喜びと偏見への懸念のバランスを共有できる人とでないと、無邪気な気持ちでこういう話題は楽しめません。そういう意味では、わたしは幸運なのでしょう。
*2:ちなみに、Aさんのロシア語とは、ほんの少し違うみたいです。
*3:わたしも「ロシア語の練習だ」と思って見ていますがところどころ単語がピックアップ出来るだけです。
買い物したどーの話
昨日の寝る前電話しようとしたらAさんが出ません。「もうパリでは朝じゃないのになんでだよ」と思いましたら、「買い物しているから、電話できないぞ」というメッセージが来ました。あらそう。
そのときは週末の買い物をスーパーでしていると思いましたので、「まあ土曜日のスーパーは戦場だからな」と思いまして寝ました。
土曜日のスーパーは戦場の話
どうでもいいことなんですけれど、ドイツ*1とフランス*2の土曜日のスーパーは戦場です。なぜこんなにみんな買うのかしらと思うほど、皆さん買います*3。
というわけで、土曜日のスーパーは戦場。邪魔されたくないAさんの気持ちもよくわかります。
買ったものが全然違った
朝起きたら、「コート買ったどー」というメッセージが。え? 「しかも赤いコートだぞー」だそうで……ええ? 「あ、そうそうブーツもね」……ふがっ!
「何が起こったかは、明日起きたら教えるね。おやすみ」
とだけ残されたメッセージを見て、ワタクシ一気に目が覚めましたの。
写真がない
Aさんはわたしがユニクロで買い物しても、「写真がないとはナニゴト」と仰るのに、Aさんが買い物したはずの今回は写真がありません。ナニゴト。
ということで、Aさんが起きたら問い詰めたいと思います。
何時に電話しようかしら。
遠距離になることはわかっていた話
わたし達が付き合い始めたとき*1、わたしはすでに東京に引っ越す日が1年後に決まっていました。しかも決まっていたのはヨーロッパに戻る予定がない引っ越しでした。
始める前は思ったより気にならなかった
普通の状況であれば、1年しか近距離で付き合えないならば、諦めるのかもしれませんが、わたしはあまり気にしていませんでした。
1つには、「近距離だろうが、遠距離だろうが、どうせ長続きするかどうかわからない」と思っていたことがあります。付き合い始めてすぐに、1年後のことを心配できるなら、その人はだいぶ自信のある人でしょう。幸い、この点についてはAさんとも一致していたのは、とても幸先のよいことでした。
さらに、「1年うまくいったらその先もなんらかの解決策を思いつくでしょう」とも思っていました。やってみなくてはわからない訳で、2人で解決策を見つけられれば良し、無理なら悲しみに浸るしかないわけです。
そしてわたしの場合はすでに1万kmの遠距離恋愛の経験がありましたので、(それはうまくいかなかったとはいえ)わたしは遠距離状態でもまあまあ気長に付き合っていけると知っていました。
始めから遠距離になる可能性を明らかにしておいた
そうは言っても明らかに予定されていることを隠しておくのはよくありませんから、わたしは付き合う前から日本行き(および帰欧の可能性が不明なこと)を伝えてありました。
その上で、万一の可能性にかけて、ヨーロッパ内での転職活動も進めていることも言いました。実際、その当時のわたしは出来ればヨーロッパ、出来ればドイツ語圏、に安定して住むことを目指していたのです。
結局Aさんの唯一の条件は、欧州内の求人には応募し続けることでした*2。
まあまあなんとかやってこれた
このブログは今のところ上手いことやってきている2人の記録ですので、生存者のバイアスが強固にかかっています。なので、あまり色んな人の参考になる訳ではないのですけれど、わたし達は今のところ想定通りなんとかやってこれました。
わたしはのんびりした性格なのでしょうか、それほど辛い気持ちにもならずに済んで来ています。だからと言って、寂しくなるときがないわけではないですが、それもお互いに(お金はあまりありませんが)比較的時間の自由がある業界にいるおかげで、ちゃんと定期的に会えていますし。