CDG-HNDな遠距離国際恋愛日記

パリと東京。Aさんとわたし。

たくらむ同居人、もしくは、漁夫の利な出会い

馴れ初めというのは難しいテーマです。私は思うのです。人が2人出会うタイミングというのは、ある1つの時点に収斂するものなのでしょうか、と。わたしにはその答えはありませんけれど、わたし達の出会いは2回のたくらみに形作られたものでした。

今日はその話の片方をしましょう。

 

 

1度目のたくらみ

わたし達はパリで2013年に出会いました。わたしがこのように言ったら、Aさんは反論するでしょう。きっと正確には、わたし達はその時初めて同じ空間をシェアしたのですが、Aさんの印象にはほとんどのこらなかったからです。。

ルームシェア

しかし出会いの前に、1つ話を挟まなくてはなりません。

仕事の関係でドイツからパリに引っ越すことが決まった2013年、わたしが直面した問題は夜露をしのぐ屋根が見つからないことでした。インターネットで見つけた外国人向けの不動産仲介業者は「1年以下は貸せない」と言い、日本人向けのアパート仲介業者(というのがあるのです)の提示する価格は払えませんでした。 

f:id:cdghnd:20190408225911j:plain結局わたしは新しい職場の上司に泣きつきました。上司が提案するのは、ルームシェアの部屋を探している旨、職場のメーリングリストに投稿することでした。

投稿して数日後早速に効果が現れました。結婚に伴ってルームシェアから退去することになった同僚が、わたしの投稿を見つけて、同居人Fさんにメールを転送していたのでした。パリの家賃は非常に高いので、Fさんもすぐに同居人を探していたのでした。

Fさんもわたしと同じ分野で働いていましたので、我々はすぐに意気投合して、10月からの住処は決まったのでした。

このようにして始まった男子2人のルームシェアは、暮らしてみると非常に快適でした。我々はほとんどお互いに干渉することなしにホームオフィスをしたり、自由時間を過ごしたりすることができたからです。一方、ホームオフィスの日などはランチに出かけてはよしなしごとを語らうこともあり、丁度良いバランスの取れた生活になったのでした。

同居人のたくらみ

そんな頃、Fさんは仕事で知り合った女性Sさんが気になっていたのでした。なんとかして、Sさんとお近づきになりたいFさん。そこで思いついたのが、カジュアルな家飲みでした。Fさんは、色々な友人に声をかけて我々のアパートで飲み会をすることにしたのです。

「我が家で飲み会を開く。ついてはお前もいるように。作戦は以下の通りである」と相談されたわたしとしても、当日は準備などを手伝いつつ作戦を聞きます。お相手の出身地(フランス領の島でした)、仕事先(Aさんと一緒)などを聞き出します。

Sさんのガード

その頃、SさんはSさんで、Fさんからの接近に警戒感を強めておりました。そらそうです、Fさんがちゃんと調べていたのか知りませんが、Sさんは遠距離恋愛中で付き合っている人がいたのです。後にAさんから聴いたところでは、AさんはSさんから「こういうパーティに呼ばれたので、ついてきてほしい。わたしのそばを離れないでほしい」と相談したようです。

ほとんど話さないわたし達

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両陣営ウィングパーソンを揃えてのぞむ、パーティです。もうこうなると周りで呼ばれた人は、どうでもいいようになっちゃいますよね。ところが、わたしは他の人の方が印象に残っております。なぜなら、Sさんは英語がものすごく苦手でかつシャイなのでした。Fさんにいい印象を与えるような話をしようにも、ガードがめちゃ高い状態で、シャイで英語をほとんどしゃべらない人を接待するのは難儀でございます。Fさんがキッチンに行っている間に、わたしが話題を振る、Sさんは「イエス」か「ノー」でわたしの質問に答えてにっこりする。これでおしまい。Aさんも、Sさんの支援要員ですから英語が喋れることをおくびにも出しません。

結局わたしは10分程度で、ウイングマンの役割を降りてしまい、普通にパーティを楽しむことにしました。英語を喋ってくれる人を見つけては、ちょっとおしゃべりしてビールを飲みつつ夜をやり過ごす。そんな一晩が過ぎました。

わたしが持ったAさんの印象

この話をすると、仲間たちから「で、そのとき、美人だと思ったんだろー」って言われるのですが、まったく印象がない。Aさんがわたしに向かって話してくれたのは、たしか、自己紹介のときくらいじゃないでしょうか。その後は、ずっとSさんの影にいました。まあ、そういう役割ですからしょうがないですね。というわけでわたしのAさんの印象は、「Sさんとずっとフランス語で喋っている、Sさんのツレ」程度でした。

さらに言うと実はわたしはSさん同様、Aさんもフランス人だと思っていました。その話をしたら、Aさんは「なんでよ。わたしのフランス語、めっちゃアクセントあるじゃない」と笑いますが、当時のわたしは(ドイツ語でフランス語を勉強するという謎な作戦中で)フランス語がわからないのです。無理もない。

Aさんが持ったわたしの印象

「いやー、ほとんど覚えてない」……だそうです。まあ、そうですよね。

2度目のたくらみ

Aさんの印象が変わった(というか、Aさんをちゃんと出会ったように思えた)のは、2度目の会合でした。この会合については、Aさんも「あなたの印象がある」と言います。

しかし、長くなりましたので、これについては次回。 本日はここで読み切りといたします。