CDG-HNDな遠距離国際恋愛日記

パリと東京。Aさんとわたし。

キモノの話

Aさんはお披露目のランチで和装をするかどうか迷っているようです。Aさんは、「わたしが着るのはおかしいような気がする」と言います*1

一方でわたし側の参加者は今のところ着物を着ようと思っている人が多いようですから、Aさんも和装をすると、雰囲気に合うかなとはわたしは思うのです。

似合うかどうか

Aさんの言うことがどういうことか、今ひとつわからないのですが、よく聞いてみると似合うかどうかがわからないというのがメインのポイントのようです。

それはよくわかります。着てみたこともない衣装が似合うのかは、わかりようがありません。写真のモデルが白人の方であったとしてもそれを見たところで、自分にとって似合うかどうかは、想像もつかないことでしょう。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

和装はレンタル費用も安くありませんから、自分がそういう格好をすることに自信が持てるかどうかは大きな問題です。しかもこの点に関しては、わたしは全く役に立ちません。

試着

幸いなことに、この問題には今回の滞在で上手いこと解決がつきそうです。というのも、わたし達がお邪魔するフェアの1つに、和装の試着体験が含まれているのです。

このことを案内して頂いたので、Aさんに伝えたところ、「最終的に契約する義務がないなら、それは是非やりたい」と乗り気です。試着ですらなくて、「試着体験」ですから絶対その点は安心です。

個人的には、今回の滞在の楽しみが増えました。内緒ですが、結構似合うと思うんですよね。ふふ。

文化の盗用

しかし喜んでばかりもいられません。自分の「出身文化」ではない文化の民族衣装を着るというのは、非常に微妙な問題をはらみうるからです。

それが文化の盗用と呼ばれる問題です。

米国で文化の盗用とは、マジョリティ(多数派民族、アメリカでは主に白人)が、アフリカンアメリカン、ネイティブアメリカン、インド系、アジア系などの社会的に少数派であるマイノリティーの文化の要素を取り入れる行為です。アメリカでは、セレブリティ、ファッション業界、企業だけでなく一般人だったとしても、ネイティブアメリカンの伝統的な頭にかぶる羽飾りや、中国のチャイナドレス、インドのサリーなどを着用したり、デフォルメしてファッションに取り入れたりすると、速攻炎上しソーシャルメディアで槍玉に上がる傾向があります。

キム・カーダシアン問題で考える「文化の盗用」と「文化の尊重」の境目:朝日新聞GLOBE+

さて、Aさんが和装することは、この問題を引き起こすのでしょうか。

短期間ですが、考えてみました。今のところ、心配しなくて良いかなと思います(が、これから2人で考えて、やっぱり辞めようと思うかもしれません)。

f:id:cdghnd:20200209134038j:image

理由はいくつかありますが、1つ目はAさんが和装する場所が、東京であり、かつ、わたしの親族のいる場所であることです。和装が「日本全体を代表する民族衣装である」とは間違っても思いませんけれど*2、わたしの知る限り和装以外の民族衣装を自分のものとして着ている親族はいません。Aさんはわたしの親族の多数派である文脈で、わたしの親族が帰属意識を持つ民族衣装を着る訳ですから、文化の盗用にはなるまいと思います。

もう1つは、恐らく、東京で現在標準とされている着付けをするのであって、アレンジしたり過度に着崩したりしないことです。

*1:ところでAさんは、わたしがAさんの衣装を当日まで見ないことを期待しているようですが、Aさんが和装することになったら、この点についてもなんらかの作戦を考えないといけません。選択肢は、

  1. Aさんに諦めてもらう
  2. 誰かにAさんについて行ってもらう

のどちらかになる訳で、どちらにしてもよく話し合う必要があります。

 

cdghnd.hatenablog.com

 

*2:日本が単一民族の国でないことは言うまでもありません。

 

cdghnd.hatenablog.com