気軽な遠距離恋愛の話
遠距離恋愛が続いていると周りから、「まだ続いているの」とか「わたしには無理だなあ」と言われることがあります。なるほど。そういう意見もあるのですね。
それに対してわたしが抱く感慨は2つ。
- 人が2人集まるのはいつだって大変だけど
- 遠距離恋愛だからといってとりわけ大変な訳じゃない
今日は後者について考えてみます。
不安と信頼
心変わりなんてらいつでも起こる
遠距離恋愛は、相手に対する不安がある人には辛いとよく言われます。浮気をされてしまうかもしれないという不安に押しつぶされそうになりそうだと想像する人もいるようです。
その不安はしかし遠距離だから生じる不安でしょうか。どんなに近くに住もうが、それどころか同居しようが、人は心変わりするものでしし、誘惑に負けるものです。
冷酷かもしれないですけれど、exclusiveな関係の維持に関わる限り、欲しい安心感は近くても得られないのではないかと思います。結局あなたの相手がどこにいても、あなたは相手を信頼しなければならないのです。
それでも「遠距離恋愛だと浮気されるかもよ」とあなたに囁く知人はいるのでしょう*1。あなた自身もそう思ってしまうかもしれません。
でも考えて下さい。その心配は、実は距離と関係ない、信頼の問題なのです。
事故・病気
一方で、(そんなことあったら困りますけれど)相手の体調が悪いときが不安だという方もいるでしょう。何もできないという不安や相手が体調の悪いときに正直に言ってくれるか信頼できない……というのは、わたしにとってもリアルな不安です。
しかしこれも、同居していない限り、やはり出来ることは限られています。体調についてシェアしてもらえるかどうかは、相手から手に入れる信頼の量に依るのでしょう。それは距離に依らず勝ち取るものなのです。
そしてここでも「遠いと不安でしょう」とあなたに囁く知人は要注意ですが、その知人と付き合う訳でなし、その人の本質を知る機会と思うしかないのでしょう。
一般的な不安と個別的な相手
そもそも「遠距離恋愛の不安」なるものは、茫漠としていて、一般的で、掴みどころがないものです。それだからこそ、遠距離恋愛に不安を感じるのでしょう。
しかし考えてみて欲しいのです。ある特定の個人が気に入ってしまった場合、考えるべきは、一般的なことではありません。その人のことです。その人が信頼に値するならば、どこにいても信頼できます。その人の信頼をあなたが勝ち取るならば、どこにいても信頼してもらえるでしょう。
もし「遠距離恋愛だから」という理由だけで迷っている人がいたとしたら、「お試しあれ」と言いたいと思います。試さずに諦めるのは勿体ないですし、試してだめならしようがないです。
*1:そもそも、そんなことを親切顔して言う人は友人にはしない方が良いのでしょう
アミューズメントパークに行きたい話
夏の予定が少しずつ決まりつつあります。
Aさんは、ここ数日、(出張の用務が終了したあとの)コペンハーゲンでの過ごし方についての調査に余念がありません。日曜日の晩、Aさんは例によって興奮してテキストを送ってきました。
何と「東京ディズニーランドでは結婚式できるらしいわね。わたしは調べたよ」と言い出しました*1。どうやって調べたのかはわかりませんけれど、「それだけはご勘弁ください」とお願いしたところから、今日の記事は始まるのです。
Aさんは、わたしの返答を予想していたのでしょう、返す刀で「じゃあせめて、チボリ公園かバッケンに行こう!」と言うのでした。これは見事な交渉術です。ここで「いやだ」という答えは、ない。
というわけでわたし達は、チボリ公園か(と?)バッケンに出かけることになりました。
夏の終わりとアミューズメントパーク
コペンハーゲンといえば、チボリ公園が有名です。中央駅前にある巨大な遊園地です。ガイドブックやウィキペディアにも記事があるので、デンマークに興味のある方はご存知でしょう。
「チボリは行こうね」と言いますので、ディズニーランドよりは良いかと思いましたので、これには賛成いたしました。
Bakken
Aさんは、さらに、バッケンという遊園地も有名なようだという情報を仕入れてきました。「おし、出張あがりにここに行くぞ」と意気込んでいます。
バッケンのウェブサイトには、「世界最古のアミューズメントパーク」の文字が踊っておりますので、かなり古くからあるのは間違いないようです。目玉は80年以上前から営業中のジェットコースターだとか。しかも木製だということ。きしむのかしらねえ。これはちょっと乗ってみたい気がしますよ。(あら、案外、私乗り気になってる……)
日本語でも調べてみると情報が出ています。入場無料で、アトラクションにお金を払う方式だとか。
コペンハーゲンの中心から30分ほどで着く森の中にあるそうですから、きっと雰囲気もある遊園地なのでしょう。
夏の終わりに一日お休みを作って古い遊園地で遊ぶなんざよろしいことじゃないかと、わたしもそんな気がしてきました。ウェブサイトを眺めながら、予習に努めて、気持ちを盛り上げて行こうと思いますよ。
*1:ちなみに、50名の参加者で7,700,000円だそうです。ほっほう。
ご破算で願いましては、の話
先週末にフランスでの予定を決めて、満足しましたので、先週の月曜日に家族に予定を聞いてまわることにしました。
衝撃
ところが家族の予定を確かめてみると、どうやらわたしの両親がフランスで集合するのは無理のようです。これは想定外ですが、無理なものは無理。とはいえ、お披露目したい一番大事な理由は、2人の両親を会わせたいことにあります。
これでは、お披露目などする意味はありません。
Aさんとの協議
大急ぎで、寝る前のAさんに連絡しました。Aさんは、事情を説明するとほぼ間髪入れず代替策を提案してくれました。Aさんは「じゃあ東京でしょう」と言います。Aさんは、
- 両親が揃わないなら、お披露目はしない
- 法律婚は東京でする
- もしお披露目するなら、東京
- ご両親に休暇を日本で過ごす提案をする
という意見でした。こういうときのAさんはかっこいいなあと思います。
わたしも1番目に賛成ですので、2と3と4も自動でわたし達の方針となりました。
新たなる作戦
週末でしたので、Aさんに夜更かししてもらって、新たな作戦を練りました。相変わらず、Aさんのお父さんの飛行機の問題は残りますけれど、それが解決したらどうなるかを考えることにしました。
その結果の方針は、
- Aさんのご両親を1週間程度の休暇にご招待する
- 飛行機に乗る時間を減らすために、Aさんのご両親にはモスクワまでの夜行列車を手配し、
- モスクワからは日系航空会社の直行便を予約する
- お父さんは都会が苦手なので、温泉旅館を手配して、リラクゼーションに焦点を当てて日程を組む
ということにしました。
家族への説明
この作戦変更をうまく交渉するためには、まずAさんのご両親の休暇プランをある程度固めてから、Aさんのご両親に提案する必要があります*1。Aさんが、相談したところ、無事、ご両親も乗り気になってくださいました。ありがたやー。
組み直し
という訳で予定(と予算)は全部組み直しになりました。
ご破算で願いましては〜。
*1:それもあって、この記事は実際の日付よりもかなり遅れて公開しています。
容姿についての語り方の話
このブログの最初の頃を読んでくれた方は、ちょっと気がついたかもしれませんが、最初の方は割と意識してAさんの国籍をオープンにしないようにしていました。
「隠したい」という気持ちとはちょっと違ったのですが、インターネット上でAさんの国籍を恋愛関係のキーワードと合わせて検索すると、不愉快な気持ちになる記事が多くあって、その一部に並ぶのが嫌だったからです。
ロシア人の女性に対しては、日本語話者の間にある特定のスティグマが結びついているようです。それは「ロシア人なら美人だ」ということです。「ポジティブな評価だからいいじゃない」と思った方はこのブログを読まないと思うのですが、実際にはちっともポジティブでもないし、言われた方は不愉快なものです。
わたしがオフラインで出会う人には幸いなことにほとんどいませんが、それでも飲み会などの場所で、「ロシア人なんだ。じゃあ美人でしょう」と言われたことはあります。正直そういう風に言われるといつも一瞬息が止まるほど驚きますし、続いてとても残念な気持ちになり、その言った人と別れる頃にはしみじみと不愉快になります*1。
それはAさんが美人じゃないからではありません。Aさんは、わたしから見ればとても美人で、かっこいいのです*2。それでも、Aさんが美人なのは「ロシア人だから」ではありません。「ポジティブなことだからいいじゃない」と言われようとも、それは聞いていて気持ちがいいことではないのです。
Aさんに会ってくれて、Aさんを人として気に入ってくれた人は、「私はAさんが気に入ったよ」とAさんを褒めてほしい。Aさんの容姿が素敵だと思う人は、「Aさんは素敵だね」とAさんを褒めてほしい。Aさんとまだ会ってなくて、写真も見てない状態では、容姿について国籍を理由に判断しないでほしい……わたしがお願いしたいことはこんなとても簡単なことです。
夏は嫌いという話
Aさんは夏が好きじゃないようです*1。暑いのは苦手で、虫が飛んでいるのも耐えがたい。Aさんはそう思います。
結婚は冬に
夏は好きではないので、わたし達の結婚も夏は嫌だとAさんは言います。好きじゃない理由は理解していても、個人的には今ひとつ釈然としないのですが、好きじゃないものはしようがないです。夏は候補からはずしましょう。
ところでわたしの休みが取れる時期は、夏か冬ですので、結婚に伴ってお披露目をするならば、必然的に冬になります。
2020年初頭の冬は無理
2020年の2月と3月に手続きするのは、もうかなり難しいでしょう。何しろ1万km離れた状態では何を企画するにしても時間がかかります。それに、現地で2人で見て決めることもたくさんあるようなのに、わたし達は何に3回から4回しか会えないのです。
参加してくれる人も長距離移動の調整をしなくてはなりませんので、今すぐ開催場所が決まったとしても、それからの準備はかなり難しいでしょう。
鬼も笑わない
ということは、2021年初頭がわたし達の予定できる最短の日程になります。こうなると鬼も笑わない状態になります。
もうここまで来たら、数カ月の違いなんてどうでも良いようなものですが、文字にしてみると少しクラクラ致します。
時間的余裕
利点があるとすれば*2、日程に余裕が出来たので、夏までにゆっくり話しあいながら、候補地を絞ることができることです。
とはいえ一方でここから会える回数を数えてみると、実際にはこれでもあまり余裕がある日程とは言えないようです。つまりこの夏までに作業の合間を見つけて色々話し合っておかないといけないわけです。
やるべきことのリストは、どんどん長くなっています。
「安き」に流れる話
モカエキスプレスをほとんど使わない毎日が続いております。
東京での生活は自宅作業の日が減っていますので、モカエキスプレスの出番も自然と少なくなってきました。それでも最初のうちは頑張って使っていたのですけれど、いつの頃か普通のコーヒーマシンを買い、それでコーヒーを淹れる毎日になってしまいました。
わたしのコーヒー生活の質は、貧しくなるばかりです。
これまでは、割とちゃんとした豆を買ってきたのですが、とうとうスーパーマーケットのお得用フィルタコーヒーを買うようになってしまいました。別にコーヒー程度のことで、節約するまでもない生活をしていると思うのですけれど、なんとなく気持ちがチープになっているのでしょう。「コーヒーも節約しよう」と思い立ってしまいました。
最初にコーヒーを淹れたときは、「これはやっぱりちょっと違う気がする」と思い、少し悲しくなり、「嗜好品なのに倫理的じゃないコーヒーを買うなんて、自分はなんてひどい人間になってしまったのだ」と憤ったりしたのでした。
ところがわたしは安っぽい人間なんですね。あっという間にその味に慣れ、朝のおめざに使うようになりました。あまつさえ、そのコーヒーの味をなんとも思わなくなっているのです。「ひとは一度本物を味わうと、もう戻れなくなる」と言いますが、わたしは「安いものを味わうと、『まあいいか』となる」ようです。悲しいことです。
そして今や、フェアトレードとは程遠い生産管理がなされたコーヒーを買い足すようになってしまいました。
味にしても、倫理的にも、現在のわたしは、ドイツやフランスに住んでいた頃のわたしに全く顔向けできない生活を過ごしているのでした。これはなんとかしなくてなりません。