ドライブの話
Aさんとドライブに行きたいのです。
フランスにいるときは、ちょっと遠出してロワールの古城を見に行きたいですし、日本にAさんが来る場合は山中湖から見る富士山を見せたいのです*1。
日本でのドライブとAさん
ところが日本でドライブに出かけるのは、むずかしいようです。なぜならAさんがロシアの運転免許しかもっていないのに、「ドライブするなら、わたしも運転できなきゃイヤだ」と言うからです。
ロシアの国際免許証
ロシアで発行される国際免許証は、残念ながら日本では有効ではありません。実は国際免許証に関わる条約は2つあって、日本とロシアでは別の条約を批准しているのです。正確には、ロシアは日本が批准しているジュネーブ条約と、日本が批准していないウィーン条約をどちらも批准しているのです。しかし、
ロシア連邦はジュネーブ条約(1949年)に加盟していますが、ジュネーブ条約に基づいた様式で国際運転免許証を発行していないので、ロシア連邦で発行されている国際運転免許証は日本では有効ではありません。
Aさんは運転できないのでドライブデートは禁止
というわけで、Aさんは国際免許証の発給を受けたとしても、日本では運転できないのです*2。
しかし運転に自信があるAさんは、ドライブに行くならどうしても運転したいのです。運転していないときに車に酔いやすいという体質の問題もありますし、「あなたよりは、わたしの方が絶対運転うまいはず」だそうです。
「運転できないなら、ドライブデートはイヤだ」とAさんが言いますので、わたしは毎回提案を拒否されるのです。くぅ。
音楽というかラジオ
「ドライブと音楽」というお題なので、最後に音楽について書きますが、わたしは実はSpotifyのような音楽だけが流れている状況で運転したことがありません。そして実際に、音楽だけが流れている状況で運転したいともあまり思いません。
同乗者がいないときは、ラジオがいいですね*3。それもAMラジオ。普段聞かないような、だらだらしたおしゃべりが流れていると非常にリラックスします。
同乗者がいる場合は、同乗者とどうでもいいことを喋りながら運転したいと思います。同乗者が寝てしまってもあまり気になりませんが、起きているなら音を出していてほしいなと思います。
*1:もちろん他にも、見に行きたいものはたくさんあります。例えば、久しく行ってない袋田の滝や那須の折衝岩、以前でかけた日光も車を使えばもっと色々見て回れるでしょう。
*2:ちなみに、Aさんが日本に移住した場合、ロシアの自動車免許からの書き換えには、ペーパーテストと運転の実技試験が課されます。
外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切替えるには 警視庁
費用は書き換えの方が安いですが、おそらく、試験の通りやすさから言って、自動車教習所に行ったほうが手続きが速い気がします。ただ、Aさんは嫌がるだろうなあとは思います。
*3:たまにテレビを流しながら走っている人がいますけれど、あれはちょっと邪魔そう。でも同乗者がテレビ好きならしようがないのかもしれません。
タワーみたいに感じる話
Aさんは他人の視線は気にならないようですが、東京に来たときに気になることが全くないわけでは、ないようです。
タワー
Aさんがよく言うことがあります。それは、「ここにいるとわたしはタワーみたいだ」ということです。
Aさんによると、Aさんはわたしよりも「2cmほど背が高い」のだそうです*1。わたしは168cmで、ちっとも背が高いと思わないので、170cmでも大して違わないだろうと思うのですが、Aさんの視点に立つとAさんだけ周りよりもぐぐっと高くなっているように感じるのだそうです。
そんなものですかね。
「だって周りの女性に比べたら、わたしめちゃ背が高いじゃない。」確かに女性だけと比べたらそうなりますか。そして、東京は男性よりも女性の人口が多いと言われていますから、かなりの数の人より背が高いことになりますね。そうなると、170cmあると見通しが効くようになるんですかね。
Lサイズ
Aさんがタワーみたいに感じるのはよくわかりませんけれど、確かに東京でみかける平均的サイズの女性よりは背が高いなと感じます。
試着できる服がない
それがよく分かるのが、洋服の買い物です。Aさんとわたしはウィンドウショッピングが好きなので、デパートなどをうろうろして試着したりするのですけれど、わたし達が気に入るようなヤングプロフェッショナルっぽい服を置いてある店だと、試着できる服のサイズがありません。パンツはもちろん*2、トップも丈が全然たりないのです。「これがうちの店で一番大きいサイズなんですよ」と申し訳なさそうに言われることも珍しくありません。
ユニクロできる子!
ユニクロだと世界展開しているせいか、Aさんのサイズに合うものが手に入ります。パリにもあるのに、銀座で買う必要があるかどうかわかりませんが、わたし達は東京でよくユニクロに入ります。
しかしユニクロで買い物しようとすると、サイズがLになります。「L! このわたしが、L! なんて屈辱的」とAさんは言います。「いや、これは日本でのサイズ設定だから、パリならMだよ」と知りもせずに慰めるのですが*3、Aさんは試着しながら「これは素敵だけど、L」とつぶやくのでした。
ちなみにXLとLの違いは、ユニクロだと丈じゃなくて胴囲が増えるように感じます。Lでちゃんと合わない服は、XLにすると丈が足りないままブカブカになりますので、わたしが見ても明らかに変になります。Aさんは背が高いのであって、デカいわけじゃないんですね……。
みんなでフランスへ行こうぜ
ロシア入国ビザの話
(これはロシアの観光ビザのとり方を説明したものではありません。さらに2017年の情報です)
2017年、Aさんはロシアに仕事で長期滞在しておりました。ちょうどわたしの仕事が休みを取りやすい時期でしたので、Aさんを訪ねてモスクワに出かけることにしました。
日本とロシアは、査証(ビザ)については相互主義が適用されるので*1、Aさんをモスクワに訪ねるにはビザがいります*2。
- ビザ2種
- 個人ビザは複雑
- 観光ビザも複雑に見える
- どの業者が信頼できるかが、わかりにくい
- 日数は値段による
- まとめ
*1:「査証については,わが国は査証,査証料金ともに相互主義の原則を採用しており,査証相互免除協定国21カ国,査証料金相互免除協定国12カ国,査証料金相互減額協定国2カ国となつている」http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/shouwa39/ind030203/003.html
*2:フィンランドからサンクトペテルブルクへのクルーズ船で上陸する場合は査証がいらないのだそうです。
ロシアに行きたい話
Aさんが帰省したときの写真を送ってきてくれました。
これはお友達のダーチャにでかけたときの夕日だそうですが、この写真を見て行ってみたくないわけがないじゃないですか。これはぜひ近いうちにお休みを頂いて、Aさんの故郷を訪ねなくてはならないと思うのです。
乗り気じゃない(なんて言わせない)
ところがAさんはあまり乗り気じゃないのです。曰く、「あまり見るところがない」、「実家はリノベーションしてもう泊まれないから、ホテル代が高く付く」、「航空券が2人分いるから、それなら東京かパリで会うのが合理的」、「2人が同時に休暇を取るのは休暇日数のムダ」、云々。
今までは、そう言われてみるとなんとなくそういうものかしらと思えてきて、押し切られてしまっていたのですが、わたしはこんなに素敵な風景を見逃してきたのかと思うと、もうそれはそれは悔しいです。
行き方
Aさんのご実家のある街に行く方法は、これまで調べた感じだとモスクワかヘルシンキから飛んで戻るか、中国を経由するかのどちらかであろうと思っていました。ところがちゃんと調べてみるとどうやらその他にも週に1便ノボシビルスク経由で行くこともできる模様です。
そしてこのS7航空*1運行のノボシビルスク経由はとても安くて(往復で6万円程度)、断然時間が短くなります(片道12時間から15時間)。
唯一の欠点は、スカイスキャナーで調べると、どうも乗り継ぎ時間がやたら短いことです。なにしろロシアの入国手続きは、行列があまり進まない印象もあって、ある程度面倒くさいんじゃないかと思うのですよね。それでも公式サイトがおすすめしている経路ですから乗り継げるのでしょう。
早速スカイスキャナーで、S7航空の接続について値段の変化があるたびにEメールでアラートが来るように設定しましたともよ。
今年の目標
このブログのテーマに関連する今年の目標はいくつもありますけれど、決めました。
2020年はAさんの故郷を眺めに行く。できれば雪がまだ積もっている時期がいいな。
というわけで本年もどうぞよろしくお願いいたします。
空港でビールを買う話
帰り道の話です。Aさんにお土産のビールを約束しました。なぜならわたしもドイツのビールを飲みたいからです。(正直ね。パリのビールはドイツに比べたら、微妙なのですよ。値段も高くて、輸入物ばかりなのです。)
持って帰れない
アウグスティーナがとても好きなビールで、かつ、ミュンヘン市内には大量にアウグスティーナが売られているのですが、パリには持って帰れません。なぜなら空港の保安検査場を飲み物は通れないからです。
(ここに保安検査場の写真を挿入するべきなのでしょうけれど、もちろん、撮影禁止です)
ミュンヘンの空港はターミナルの前に巨大なスーパーマーケットがあって*1、「ここでアウグスティーナが買えるのに、買えない。ぬぐぐ」と思いながら通り抜けます。
ビールがなければ、嘘
保安検査場を超えた向こう側には、もちろん免税店がたくさん並んでいます。タバコにパフュームにアルコールにお土産……。これで、お土産最適品兼アルコールのビールがなかったら、嘘です。だって、ミュンヘン空港には自前のビール醸造所があるんですよ?
わたしが期待していたのは、バイエルン州内の各醸造所のビールを取り揃えた巨大なビール売り場です。世界中で手に入るメジャーな醸造所だけじゃなくて、アウグスティーナのような地元の醸造所のものも集めた売店です。
ところが、これがない。
パウラーナーはあります。ホーフブロイもあります。なのに、アウグスティーナがない。もう意地になって、免税店、キオスク、レストラン……全部探しましたが、ない。ひどい。もうミュンヘン空港への信頼はガタ落ちです。
意地の6本パック
割高ですけれど、しようがないので、今まで全く飲んだことがない白ビールの6本セットを買いました。非常に小さくまとまってパッキングされたリュックサックがパンパンです。またAさんの笑う声が聞こえるかのようです。
これで美味しくなかったら承知しないからな。Aさんの家の冷蔵庫に並んだ6本を眺めながら、わたしは強く強くそう思うのでした。
*1:ドイツには閉店法と呼ばれる法律があって、街中のスーパーマーケットは日曜日閉店しなくてはならないことになっています。ところがその例外が駅と空港。それなので、駅や空港の敷地には最近割と大規模なスーパーマーケットが出店しています。閉店法逃れですね。
バイエルンの朝食の話
ドイツ最後の朝、友人は通常通りお仕事の日なので、「ありがとう」と言いながら別れて、わたしは街に出ました。目的は、「バイエルンの朝ごはん」をいただくためです。
バイエルンの朝ごはん、もしくは、正式にはFrühshoppen(ふりゅーしょっぺん)と呼ばれるものは、
- プレッツェル(もしくは、ぶれーつぇ)
- 白ソーセージ(もしくは、ゔぁいしゅゔるしゅてる)
- そしてビール(もしくは、びあ)
からなります。
白ソーセージは(ちゃんとした店)では、正午までしか提供していません*1。なぜなら白ソーセージは、保存食として作られたものではないからです。冷蔵庫のなかった時代、朝作って、朝のうちに食べる食材として確立された白ソーセージですので、午前中しか取り扱いがないのです。
*1:観光地向けのビアホールでは午後でも出していますので、朝が辛い人も大丈夫、ちゃんと白ソーセージは食べられます。