4 weddings
ながらの話
Aさんが常々不満に思っていることがあります。それは、わたしがマルチタスクをしようとしてうまくできないことです。「あーたは、マルチタスクはできないんだから」とAさんはしばしば言います。
とりわけAさんが不満なのは、わたしが通話中に気になることを急にグーグルで検索し始めたりすることです。
書いてみると、「そら嫌がられるだろう」という気が自分でもしてきたのですが、それでも言い訳してみようとしてみると、話題になったことをその場でささっと検索したいのです。わからないけれど、調べればすぐに分かりそうなことを積み残して話を終わりたくないのです。それに調べて面白いことがわかれば、話も膨らんでいくじゃないですか。
更に言うと、2人で近距離にいるときは、そうやっていろいろ検索しながら話をしてうまくいっているわけです。そして実際に検索したことを使って話題を膨らませてもいるわけです。
近距離でできる程度のマルチタスクが、遠距離で通話中にできないはずがないと、わたしは思うのです。原理としてはできないはずがない。原理としてできないはずないことをしているわけですから、失敗するわけないはずのに、Aさんによればわたしはそれに失敗しているようなのです。結局、通話中にパソコンを開いて検索を始めては、「今パソコン使っているでしょう」と怒られるのでした。
怒られながら、それでも「遠距離での通話と、近距離での会話って違うこともあるんだなあ」とのほほんと思っているわたしは態度があまり良くないですけれど、こういうことがあると、なるべく早く一緒に住んでパソコンを2人で見ながら会話したいなあと思うのでした。
それまでは、気になっても検索はしないようにしないといけませんね……。
信じない話
Aさんはロシア人だなぁと思うことはあまりないのですが、それでもAさんはいかにもロシア人な部分もあります。
今日はそんな話。
貯金を信じない
Aさんのロシア人っぽく見えることの1つは、貯金を信じていないことです。
1998年、ロシアは金融危機を迎え、ロシア政府は対外債務履行停止、デノミネーションとともに、預金封鎖を行いました。こうしてロシア人の貯金は政府により事実上没収されたようです。
Aさんはこのとき、お祖母様の貯金がなくなったことをよく覚えています。そのせいでAさんは貯金に対する信頼がほとんどありません。「一生懸命貯めてもどこかで誰かに持っていかれてしまう」とAさんは言います。
日本でも預金封鎖は起こったことがありますし、まったくそういうことがないと想定して生きるのはリスクが高いです。とはいえわたしは実際に預金封鎖を経験したことはありませんし、なんだったら、わたしは20年位の長期で財政計画できたら嬉しいなと思う方です。
パトロール中の警察官を信じない
ロシアのガイドブックや在ロシア日本大使館の広報サイトには、いわゆる不良警察官およびニセ警察官の話題が必ず出ています。
Aさんもやはり街で歩いている警察官を信頼しません。わたしがドイツや日本、フランスで、気軽に警邏中の警察官に話しかけるのを、あまり良いこととは思っていないようで、毎回、「気をつけなくてはいけない」ということと、「ロシアでは絶対にやってはいけない」ということを強調します。
もちろん日本でもかなり問題ある職務質問が実践されることがありますし、それが報道されることもあります。しかし道を訊くのもためらわれるほどのことではないと、わたしなどは思うのです。わたしが甘いのかもしれませんけれど。
郵便を信じない
Aさんはロシアの郵便を信じません。郵便は届かないという気持ちで送るものなようです。「大事なものはロシア宛には郵送しない」とAさんは固く誓います。追跡番号をつけてもなくなるものはなくなるのだそうで、なかなか難しいです。
さすがに郵便については、フランスと日本のものは信じているようですけれど、それでもかなり慎重です。
まあフランスでも郵便事故は珍しくないので、これはロシア的というか、欧州的なのかもしれませんけれども。
「おめでとう」の話
ここ最近、ここが急に「国際結婚ブログ」に化けた感じがします。とはいえ、遠距離恋愛状態は変わらないわけで、パートナーと毎日顔を突き合わせているわけじゃない。ということは、状況の変化はほとんど感じられないわけです。わたしは急激な変化に弱いタイプなので、これはとてもありがたいことです。
もちろん遠距離でなくても、日常は続くし、締切仕事の時計は流れるし、休みはほしいし……気持ちの変化もほとんどありません。気持ちが盛り上がるのは、行き帰りの電車でブログを書き溜めるときでしょうか。
おめでとうの前借り
それでも我々のことを知っている家族や親友に少しずつ報告していくと、「おめでとう」の反応をいただきます。中には、「シフトを調整するので招待状は、ちゃんと早めに送るように」と言ってくれたり、「フランスに行ってみたかった」と言ってくれたりする人も現れて、とてもありがたいです。何しろ、わたし達が計画通りフランスの市役所で式を挙げ、そのままお披露目をするとすると、参加者は1千kmから1万km移動しないとならないのです。お金と時間も馬鹿にならないのに、それでもそう言ってくれるのですから。
いわば、わたし(達)は、こうやって「おめでとう」を前借りしてしまいました。信用で前借りするものは、きっちりと実現しておかないといけません。そう思って、これから間違いなく生じる計画・実行上のコンフリクトをなんとか解決していかなくてはなりませんね。
続きを読む日本風の結婚式が我々の間で人気がない話
Aさんとわたしがこれまでのところ一致しているのは、出来ることなら日本風の結婚式と披露宴の組み合わせは避けたいということです。とくに日本風の結婚式は、わたしたちには余り合わないように思うからです。
- 日本風じゃないほうがいい
- 必要以上に宗教的
- 人前式への違和感
- 市役所に行きたい
- 書類だけじゃ嫌だ
- 利用可能なシステム
- ロシアの難しさ
- フランスが今のところ良さそう
- とはいえ、まだブレインストーミング状態
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座席指定の有料化の話
ANAの決断
ANAがエコノミークラスの座席の事前予約を有料化しました。
座席指定で追加料金が課されるのは、非常口前の座席(イグジットロウ)と機内前方の窓側と通路側の座席だ。機内後方席については追加料金が発生しない。追加料金は非常口前が1区間につき4500~5500円。機内前方の窓側と通路側が1500~2500円。アジア内の短距離路線では安く、欧米線の長距離路線では高くなる。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190531-00283665-toyo-bus_all&p=1
正確には、座席指定ができない航空券の価格クラスとどこでも座席指定できる価格クラスを分けたようですが、実際には後者は高くなる訳ですから、単なる値上げです。
これでわたしがANA便を利用するときに、非常口座席に座れる可能性は事実上なくなりました。
「緊張する」などと書いておきながら何ですが、もう座れないと思うとそれも残念です。
非常口座席よりもわたしの生活に影響しそうなのは、前方座席の通路側が有料化されたことです。わたしは国際線では通路側に座る方なので*1、これはかなりしょんぼりいたします。
料理にもサービスにもあまり興味がないわたしが、高い料金を払ってもANAを利用できたら良いなと思う気持ち一部は、予約時に確実に通路側座席の指定ができることに支えられていたからです。
エアフランスの先行
もちろん直行便であることが、1番の魅力ですが、東京からの直行便だとエアフランスの方が便数も多くて値段も安いです。
ただしエアフランスはチケット購入時の座席指定はすでに有料です。オンラインチケット販売サイトを見たら「2人で確実に並んで座りたければ、ここで座席指定ができますよ」という仕方で座席指定サービスの宣伝をしていました。「さすがカップル文化」と思わず笑ってしまいましたが、すぐに「そうかAさんと2人で飛行機に乗るときは余計にお金がかかるのか」と気づきました*2。しょんぼりいたしました。
同じことはこれからANA便でも起こり得ます。
この流れは止まるまい
とはいえ、上で引用した記事にもリストがあがっていますが、購入時の座席指定無料は、格安航空会社でなくても、もはや例外です。
次に起こることは、おそらくエコノミークラス内でシートピッチを差別化していくこと、および、乳幼児の運賃の有料化ではないかと思います。