ワインとチーズの話
土曜日にフランスに参りました。その初日の話。
「ワイルドに行こうぜ」
Aさんがスーパーマーケットで「初日のお夕飯だもの。今日はワイルドに行こうぜ」と言いますので、思いのままに日本で食べられないものをじゃんじゃかバスケットに放り込みました。お会計が70ユーロになりまして、クラクラいたしました。
わたし達は再会した初日は毎回スーパーマーケットで食べたいものを飽きるほど買って、毎回、「明日からはちゃんと合理的に買い物しよう」と誓い合うカップルなのです。これは学習していませんし、まあしないんだろうなと思います。
ワインとチーズ
さてそんなお祭りのような買い出しでしたが、もちろん、フランスのワインとチーズは欠かせません。そんな高いものを買うわけではないのですけれど、日本では高くて手が出ないものを、それほど罪悪感を感じない値段で揃える楽しみがあります。
写真のチーズは左からロックフォール、モーのブリー、ノルマンディのカマンベールです。これをバゲット一緒にもしゃもしゃ食べながらボルドーのワインを飲みます。
これだけパワーワードを並べて罪悪感を感じないんですから、地元の食材は強いですね。
語れない程度の解像度で選ぶこと
もちろん本当にチーズやワインにハマっている方々とは違って、わたしたちのワインやチーズの理解度などないに等しいです。「美味しいね」「この間の方が美味しかったね」……このレベルでしか話せないのですから、スーパーマーケットの食材で満足できるとも言えますし、あるいはスーパーマーケットの棚を前にして、ほぼ当たるも当たらぬも八卦みたいなしかたで商品を選んでいるわけです。
結局こういうときにわたしが頼るのはインターネットの情報*1と詳しい友人たちから習ったこと、そして過去の記憶です。今回も過去に食べて美味しかったワインとチーズを中心に取り揃えて、「いやーおいしいね」と言い合うわたし達なのでした。
*1:だからフランスでの日常生活にはインターネット接続は欠かせません。
そしてインターネットに頼るということは結局、いわゆる「ブランド力」に期待することでもあります。
多くの信頼できる情報源が「おいしいから試してご覧」というものを試すということは、わたし達の目に届く範囲まで到達できるブランド力があるということです。スーパーマーケットのワイン売り場には、隠れた銘品はほとんどありません。これもそれぞれの商品が持つブランド力のゆえなのでしょう。
こういう風に考えてみると、「わたし達は結局ほとんど何も発見しているわけではない」と言いたくなる気もします。