重国籍と責任という気持ち
重国籍についての現在の法律上の規定に対して、違憲訴訟が提起されたようです。個人的にとても興味がある分野なので、Aさんとは関係ありませんが少し書いてみようと思います。
現在の法律
日本では現在重国籍は認められていません。国籍法には次のように規定されています。
(国籍の喪失)
第十一条 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
2 外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。(国籍の選択)
第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。(以下略)
正確には、20歳以上になると2年以内に国籍選択をしなくてはならないことになっています。さらに、日本国籍を選択した場合は、日本国籍の「選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない」(国籍法第16条)とされています。
今回の訴訟について
今回は上記の11条一項の無効を求める訴訟が提起されたようですね。個人的に、とても行方が楽しみですが、特に
「原告側は、この条項が、『兵役義務』の観点などから重国籍を認めなかった旧憲法下の国籍法から、そのまま今の国籍法に受け継がれていると主張」
するという論点は、(裁判で認定されるかどうかは別として)とても勉強になりました。旧憲法下の国籍法を一度読んでみたいなと思いますよ。
重国籍を取得したいか
法律の専門家でないので訴訟の論点についてこれ以上は論評できませんけれど、個人的に考えることをせっかくなので書いておきます。
まだ何がどうなるかもわかりませんが、Aさんと一緒に住む場所が決まったとして、それが海外だということになったとしましょう。そうしたら、わたしはきっと居住地の国籍を取得することを最終的に目指すだろうなと思うのです。住む場所に責任を持ちたい、そう思うに違いないからです。さらに「代表なくして、課税なし」というスローガンの背景にある気持ちもよく分かるのです。だからこそ、代表を選ぶ権利を取得できたらいいと思うでしょう。
一方で、その際に、日本国籍を放棄せずにいたいと思うのじゃないかと、想像します。というのも、日本の社会に対する責任をそのまま果たしていけたら良いなとも思うに違いないからです。
さて、裁判の行方はどうなりますか。
遠距離恋愛とインターネット
知り合いに、「ところでお二人は相変わらず順調ですか」と訊いていただきました。勢い良く「もちろんです」と答えたら、「そうですか。もちろんっていう感じなんですね」と不思議そうな顔をなさいます。こちらはお陰様で楽しくやっておりますので、そんなに不思議なものかしらと思ってさらに伺ってみると、どうも連絡のとり方や、会えないことが障害になるのではないかと思っていらっしゃる模様です。
確かに、なかなか会えないことは問題です。必死に安い航空券を探しても、年に数度しか会えないのですから。1万kmの距離があるので「じゃあ明日時間が出来たので会いましょう」というわけにはいきません。
インターネットに接続されているスマートフォンで何が変わったように感じるのか
一方で時差はありますが、連絡を取り合うことはそんなにストレスフルだとは思いません。遠距離恋愛は、インターネット上のサービスの発展とともに格段に簡単になったように思うのです。
「より簡単になった」というのは、「簡単だ」ということではないのですけれど、インターネットに接続されたスマートフォンの存在で色々変わったなと思います。そのおかげで、日常生活で距離を感じなくなる瞬間が増えてきたように思うからです。例えば、WhatsApp のようなサービスを使えば、携帯電話のパケット代のみで通話もチャットもできてしまいますし、今見た景色を共有できるのです。
通信のスピード変化の実感
これが手紙の時代(って大して昔じゃない訳です!)だと、手紙が届くのに1週間から2週間かかっていた訳です。たとえば、何か共有したい場面があったとしましょう。その写真撮って現像して、郵送して、感想を聞くまでに1ヵ月。おおごとです。スマートフォンを持っている2人の間であれば、写真を撮って送っておけば、数秒以内に相手の手許にそれが届いているわけです*1。
そのあとにはメッセンジャーとSkypeの時代がやってきました。同時刻に、家にいたり、インターネットカフェにいさえすれば、通話が無料できる時代がきたわけですが、これだって同時刻にパソコンの前にいるというスマートフォンの時代にはない制約がありました。
肚を決めること
こういう風にまとめてみると、実際に、わたしとAさんは、インターネットに接続することなしに、スマートフォンなしに、この距離で関係を維持しようと肚を決めることができたかしら。わたしはときどきそう思うのです。
そこではたと思い至りました。「肚を決める」と言っても、それは時代によって違うことを意味しているのだろう、と。おそらく、手紙時代に「肚を決める」と言うことは、わたしがフランスに住み続けることを意味したのでしょう。それに比べると、インターネット時代の「肚を決める」と言うことは、おそらく、決断を先延ばしにすることに近いのかもしれません。宙ぶらりんでも、とりあえずバランスをとって前に進んでみる。そう遠くない未来に展開があると信じてみる。
どちらが大変なことなのかは、わたしにはわかりません。けれども、今は考えてもしようがない。わたしは、そうして、先延ばしにした決断とともに生活するようになりました。
働きたくないでござる
働きたくないでござる。Aさん、大金持ちになって、養ってください。
何年も前からそんなことを冗談で言っておりました。すごく素敵なお屋敷を見てはそう言い、欲しい(けど高くて買えないような)ものについて話してはそう言い、しておりました。
そうしたら先日とうとう、「いい加減にしなさい」と怒られてしまいました。「うちは2人で働くの」だそうです。
そりゃ、真面目に考えれば、何をするにも2人で働くしかないわけなのはわかっております。ついでに言えば、怠け者のわたしは外で契約を獲得して働かなくなってしまえば、わたしは怠惰の道を一直線に下っていくことになるに決まっています。
だからこその冗談だったのですけれど、繰り返してるうちに、Aさんは心配になってきたのでしょう。そら、そうですね。というわけで、心を入れ替えて、これからは「働きたくないでござる」などと口にしないことにしました。こんな簡単な約束でAさんが安心するなら、お安い御用です。
……でもちょっとね、こっそり「働きたかなくてもよいだけの額があたるような年金式宝くじ*1当たらないかしら」って電話がつながってないときにつぶやいては、ニヤリとしているのです。内緒ですよ。
*1:日本には、ないんですよね。でも、一挙に現金をどどんと渡すより、50万円ずつ40年配当する宝くじの方が売れると思うんですけれど。
悪い言葉
今週は、色々と不満がたまることが多かったAさんは、同胞のお友達に愚痴を聞いてもらったようです。
曰く、「みんなで相当アグレッシブな悪口を言っちゃったよ」とのこと。
『「クソッ」くらいじゃすまないようなやつでしょうか』
「もちろん。バーカウンターのバーテンにはわかっちゃったみたいだけどねぇ(てへ」
そんなことを言うくせに、Aさんの母語で悪い言葉を言うにはどうしたらいいかを訊いても、Aさんは教えてくれません。「そんなこと知らないでよろしい」と言うのです。そういう気持ちもわからないでもないし、わたしも「日本語で悪い言葉を教えて欲しい」と言われて、「クソ」以上のことは教えたくないです。
というわけで、今のところは無駄な抵抗をせずに、毎回引き下がるわけですけれど、なんか悔しい。そもそもカラフルな悪口で知られた言語を覚えようというときに、美しくて礼儀正しい言葉だけ覚えるなんて、なんだか寂しすぎるような気がするのです。『悪い言葉も、いい言葉と同様に、言語を形作っているわけですから、それを習わないのは片手落ちなんじゃないかしら』とつぶやくわたしを、Aさんは笑うのでした。
Aさんが見てないので、かきますけれども、いつかこっそりと覚えてやろう。そうわたしは企んでおりますよ。
55,000マイルの現実性
遠距離恋愛はお金がかかる。だから安い航空券を探す……そう書きました。安い航空券が欲しい。のどから手が出るほど欲しい。なんだったらたまには出費ゼロ円で航空券を手に入ったら嬉しい。これは、現在の偽らざる気持ちです*1。
マイルを貯める
タダではないけれど、当座の出費ゼロで航空券を手に入れる方法が、航空会社の提供するマイレージサービスを利用することです。ご案内でもありましょうけれど、ANAが加盟するスターアライアンスや、JALの加盟するOne World、それにデルタ航空やエア・フランスが加盟するSky Teamなどがありますよね。
わたしも例に漏れず、ANAのものを中心にマイルを貯めています。国内の出張があまりないので、フライトでマイルがなかなか溜められないのですが、クレジットカード(ANA Card)を利用して、普段の買い物を使いながらマイルを溜めています。いわゆる陸マイラーってやつです。わたしのカードは、買い物1000円につき、5マイル貯まるようです。
ネットを調べると、さまざまなサイトがいかにマイルを貯めるべきかを指南してくれるので、わたしの夢も膨らみます。普段の必要経費を支払いながら航空券が手に入れられるのであれば、こんなに嬉しいことはないのです。そのために、わたしの消費行動が航空会社に筒抜けになろうとも、望むところです*2。
パリにいけるかしら
では、ANAが提供するスターアライアンスの航空券でパリに行くにはどれだけマイルがいるのか。季節によりますが、通常時で55,000マイルになります*3。
ということは、一切、スターアライアンスの飛行機に乗らずにマイルを貯めようとすると、11,000,000円の買い物をしないといけない計算になります。イッセンマン……。しかもANAマイレージクラブのマイルには有効期限がありますので*4、1年に340万円がところ買い物しないといけないことになります。ちっとも現実的じゃないですね。
やっぱり、地道に安い航空券を探す方が良いようです。
国際着信払い番号
昨日の航空券(正確には旅程確認書)の話、今朝、航空会社に電話して確認しましたが、どうやら予約は正確に取れている模様です。不思議ですが、そういうことなのでありましょう。
さて、そのコールセンターの電話番号が、00531で始まるのでした。こんな番号のフリーコールあったかしらね、と思い調べてみたら、KDDIの国際着信払い番号というものでした。どうやら本社のある国につながる模様。
現地は夜中でしたが早速かけてみると、日本語の通じるオペレータがいらして、現地語のアクセントが混じるものの大変流暢な日本語で対応してくださいました。彼の国にどれだけ日本語学習者がいるのかはわかりませんが、あのレベルで日本語を喋る方を24時間シフトで業務させることができるというのは、層が厚いんだなあと思いました。
同時に、英語だけでなくて飛行機が飛んでいく先の言語でコールセンター対応しようという会社の姿勢になんだか感心してしまいました。
心配な警告
夏の航空券を予約しました。
ところが、航空会社のウェブページで航空券を印刷しようとしたら、こんな警告が出てきたのです。
なんだかとても心配になるような口調ですよね。現在コールセンターに電話するべく色々調査中です。
こんなのが出る背景には、「なるべく安い航空券を買いたい」と思う気持ちが強かったことにあります。格安航空券検索サイトで、航空会社で直接買うよりも安い値段を提示してくれる旅行業者があったので、思わずそこを使ってしまったのです。予約したあとから気になって、色々検索してみると、出るわ出るわ悪いレビュー。世界中で商売しているスウェーデンの会社なのですが、どうもあまり信用できない感じなのです。(UPDATE: 航空会社に電話したところ、予約に問題はないそうです。旅行会社を疑ってすいませんでした。)
そうは言っても、航空券を買ってしまったあとですから、ここからは航空会社と直接連絡してみるしかないようですね。はぁ。