パリのセキュリティの話
ドイツでもパリでも、集合住宅の入口にはオートロックがかかっています。それがドイツの多くの街とパリでは異なっているのです。
ドイツでは建物の入口のオートロックは通常の鍵を使って開きます。訪問者は、入口で訪問先の呼び鈴を押して中からボタンで解錠してもらう方式です。
パリのオートロック
一方でパリで一般的な方式は呼び鈴方式ではありません。実はパリのものは暗証番号方式なのです*1。
各建物の入り口にこのような、暗証番号入力用の機械がとりつけられていて、自分の家やお呼ばれした先にでかけるときは、ここに知らされた暗証番号を打つのです。 Aさんのアパートもそのようになっています。
確かにこれで知らない人は入れないわけですけれど、郵便屋さんも(原理的には)中には入れません(もちろん、地元の配達人の方は番号を知っているようです)。というわけでフランスでオンラインショッピングするとたまにドアの番号を書く箇所があったりします。
個人用番号?
Aさんのアパートで面白いのは、Aさんからわたしが教わった番号とAさんが普段使っている番号が違うことです。「なんで違う番号なのよ」とAさんは言いますが、わたしはAさんに教わった番号を打ち込んでいるだけです。
どうやらこの暗証番号入力用機械がどこかのタイミングで更新されたときに、Aさんが教わった番号が、以前の番号と違ったようなのです。
説明してみてもなんだかよくわからないですが、とにかくわたしの携帯電話の中に入っている暗証番号はAさんの暗証番号と違う……それが大事です。家賃も払っていないのに、個人用番号がもらえた気がするこの気持ちの嬉しさ、おわかりでしょうか。
今日もわたしは買い物にでかけて、わたし専用(に見える)番号でAさんのアパートに帰るのでした。
*1:ちなみに写真の機械の下の方にある黒い丸はICチップキーのタッチ場所です。この錠は2つの方式で解錠できるわけです。