CDG-HNDな遠距離国際恋愛日記

パリと東京。Aさんとわたし。

ふるさとは遠くにありて

東京でできた仲間は、わたしが日本育ちであることをしばしば忘れます。「それはなぜかね」と訊いてみたところ返ってきた答えがこれでした。

「だって帰りたい場所は、ここじゃないでしょう?」

とその仲間は言います。彼女にとっては、帰りたい場所が故郷なのだそうです。そしてここに帰りたいわけではない人は、ここの人ではもうないのだそうです。確かにそういう考えかたもありますな。そして彼女には、わたしは東京に対して「帰りたい」気持ちが見えないのだそうです。

声を大にして言いたいのですが、実際に東京の外から都内に戻れば、「帰ってきたな」と思うのは間違いないのです。東京を離れれば東京に帰りたいと思うこともしばしばあります。

 

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一方でわたしの仲間の言うことも一理あります。わたしには「帰る」と思う場所が東京以外にもいくつもあるのです。そしてそのそれぞれの場所に帰っても、「帰ってきたな」と思います。そして東京にいればそれらの街が恋しく思えます。

パリの事件が悲しかったのも、遠くにあるふるさとを思う気持ちの1つなのかもしれません。

 

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特にドイツでわたしが住んでいた街には、非常に重要な思い出と結びついて強い気持ちの結びつきがあります。さらに、わたしの友人が多く住んでもいるのです。そのような事情のせいでしょうか、離れてみると住んでいた頃は感じなかったような気持ちの盛り上がりを感じます。これを郷愁っていうのかしらと思いながらとても驚いているのです*1

離れてみると「あそこは良い街であった」と思うことはいくらもあって、わたしは東京をふるさとだと思いながら、他の街にも同じ気持ちを抱いている。そういうことなんだと思うのです。

 

 

*1:Aさんもわたしがパリにいる間、しばしば、「キミはパリよりドイツの方が好みでしょう。帰りたいと思っているでしょう」と言っていました。「そんなわけないよ」と返事をしても、「そんなことあるの」と取り合ってくれません。