遠距離恋愛とインターネット

知り合いに、「ところでお二人は相変わらず順調ですか」と訊いていただきました。勢い良く「もちろんです」と答えたら、「そうですか。もちろんっていう感じなんですね」と不思議そうな顔をなさいます。こちらはお陰様で楽しくやっておりますので、そんなに不思議なものかしらと思ってさらに伺ってみると、どうも連絡のとり方や、会えないことが障害になるのではないかと思っていらっしゃる模様です。

 

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確かに、なかなか会えないことは問題です。必死に安い航空券を探しても、年に数度しか会えないのですから。1万kmの距離があるので「じゃあ明日時間が出来たので会いましょう」というわけにはいきません。

インターネットに接続されているスマートフォンで何が変わったように感じるのか

一方で時差はありますが、連絡を取り合うことはそんなにストレスフルだとは思いません。遠距離恋愛は、インターネット上のサービスの発展とともに格段に簡単になったように思うのです。

「より簡単になった」というのは、「簡単だ」ということではないのですけれど、インターネットに接続されたスマートフォンの存在で色々変わったなと思います。そのおかげで、日常生活で距離を感じなくなる瞬間が増えてきたように思うからです。例えば、WhatsApp のようなサービスを使えば、携帯電話のパケット代のみで通話もチャットもできてしまいますし、今見た景色を共有できるのです。

通信のスピード変化の実感

これが手紙の時代(って大して昔じゃない訳です!)だと、手紙が届くのに1週間から2週間かかっていた訳です。たとえば、何か共有したい場面があったとしましょう。その写真撮って現像して、郵送して、感想を聞くまでに1ヵ月。おおごとです。スマートフォンを持っている2人の間であれば、写真を撮って送っておけば、数秒以内に相手の手許にそれが届いているわけです*1

そのあとにはメッセンジャーSkypeの時代がやってきました。同時刻に、家にいたり、インターネットカフェにいさえすれば、通話が無料できる時代がきたわけですが、これだって同時刻にパソコンの前にいるというスマートフォンの時代にはない制約がありました。

肚を決めること

こういう風にまとめてみると、実際に、わたしとAさんは、インターネットに接続することなしに、スマートフォンなしに、この距離で関係を維持しようと肚を決めることができたかしら。わたしはときどきそう思うのです。

そこではたと思い至りました。「肚を決める」と言っても、それは時代によって違うことを意味しているのだろう、と。おそらく、手紙時代に「肚を決める」と言うことは、わたしがフランスに住み続けることを意味したのでしょう。それに比べると、インターネット時代の「肚を決める」と言うことは、おそらく、決断を先延ばしにすることに近いのかもしれません。宙ぶらりんでも、とりあえずバランスをとって前に進んでみる。そう遠くない未来に展開があると信じてみる。

どちらが大変なことなのかは、わたしにはわかりません。けれども、今は考えてもしようがない。わたしは、そうして、先延ばしにした決断とともに生活するようになりました。

*1:ちなみに飛行機の飛ぶスピードというのは、ジャンボジェット機の導入以来ほとんど変わっていないそうですから、通信のスピードの増加はすごいですよね。

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